①リスティング広告とは?
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に連動して表示される広告のことで、代用的な媒体としてGoogle広告とYahoo!広告があります(検索連動型広告)。
例えば、Google検索で「鍼灸院 東京」と入力した時に、検索上位と下部に表示される広告がそれに当たります。広告には「広告」という文字が記載されています。
②リスティング広告の特徴
あらかじめ広告管理画面で、検索キーワードを設定しておき、検索クエリー(検索された実際の文言)に応じて、広告が表示されます。
検索広告は、検索ユーザーのニーズがより具体的で顕在的であるとの特徴があります。
今回の場合、「都内で鍼灸院を探しており、施術の予約がしたいと考えている可能性が高い」です。全くの不特定多数に広告を表示するよりも、ニーズが明確なユーザーに表示が出来る点で、ディスプレイ広告やYouTube広告など、他の広告と比較して成約(予約や資料請求など)に直結しやすいです。
③課金形態
リスティング広告は、クリック課金となっています。別名、PPC(Pay Per Click)広告とも呼ばれ、1クリック毎に課金されます。
クリック単価は、競合他社の入札の強さやキーワードと広告との関連性、ランディングページの品質の高さなどの各要素をもとにGoogle内部で都度オークションが走り、その結果により80円、150円、350円など決定します。ビッグキーワード(美容、転職など、検索ボリュームが多いもの)は、多くの広告主が出稿しているため、1クリック1,000円になったりするケースもあります。
なお、クリックされない限り課金されないため、表示だけでは課金はされません。
④広告出稿の考え方 その1 獲得単価(CPA)
広告では、様々な指標が出てきます。
例えば、ある青汁をリスティング広告で宣伝販売しているとします。
その際の重要な指標は、このような感じとなります。
【例】
表示回数 :20,000回
平均クリック単価:180円
クリック数 :650クリック(クリック率:3.25%)
コスト :117,000円(180円 × 650クリック)
獲得数 :15件
獲得単価 :7,800円
成約率 :2.30%
まとめると、
① 20,000回表示されて、その内3.25%の人(650人)がクリックして、クリックした人のうち2.30%(15人)が購入。
② 平均するとクリック単価は180円であり、650回分表示された結果、117,000円の広告費用を消化。
③ 結果、117,000円を使って15件とれたため、1件あたりの平均獲得単価は7,800円。
たまに「1件あたり、獲得単価(CPA)はいくらですか?」と質問を受けますが、リスティング広告は成果報酬型ではなく、確率(%)の結果であるため、扱う商材、ブランド知名度、競合他社の広告出稿量、成約ハードルの高さ、LPの良さ、BtoB/BtoC、商圏エリア、WEB完結/実店舗来店、市場のニーズの変化(=検索ボリュームの変化)などの条件によって異なります。
そのため、今日のCPA8,000円でも、翌日は12,000円に跳ね上がったり、6,000円で取れたりと日々大きく変化しますし、季節によっても変化します。獲得単価の目安を知るには、月30万円〜かけて、3ヶ月程度テスト配信してみなければ正直分かりません。
⑤広告出稿の考え方 その2 LTV / ROAS
広告配信では、広告費用(=投資)に対して、どれだけ売り上げに貢献したのかを把握することは、許容できる獲得単価を算出する際にもとても重要です。
そこでの考え方がLTV(Life Time Value/顧客生涯価値)とROAS(Return On Advertising Spend/広告の費用対効果)です。
LTV
LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)は、1人の顧客を開拓した場合、その顧客がその店舗や会社に対して、その人が生涯で使ってくれる金額のことです。
例えば、客単価1万円の高級マッサージ店のLTVを試算してみます。
仮に、100人の新規顧客を開拓したとします。そのうち60%(60人)がリピーターとなり2回目も来店してくれました。また、リピーターのうち80%(48人)が3回目、さらに85%(40人)が4回目、85%(34人)が5回目、85%(29人)が6回目となりました。
1回目:100人(100万円)
2回目:60人(60万円)
3回目:48人(48万円)
4回目:40人(40万円)
5回目:34人(34万円)
6回目:29人(29万円)
⇨ 100人の新規顧客開拓により、311万円の売上を生みました。(LTV:31,100円)
許容獲得単価は、初回来院時の売上10,000円を基準に設定するではなく、このLTV31,100円をもとに設定します。獲得単価は投資と考え、6,000 〜 10,000円に設定する攻めの姿勢が必要です。
その際、初回から利益を求めるのではなく、初回は割引特典や広告費用をかけて、人件費や固定費を考えると赤字となっても、2回目、3回目のリピート来店で回収していき、トータルで売上(利益も)を大きく拡大している状態を目指します。
ROAS
広告費用(投資)によって、売上がどの程度伸びたのか(リターン)を図る指標がROAS(Return On Advertising Spend/広告の費用対効果)となります。
【計算式】
ROAS(%) = 売上÷広告費×100
例えば、
広告費用に50万円に対して、売上が200万円の場合、ROASは400%です。
広告費用を追加で50万円投じ(計100万円)、売上が450万円となった場合、ROASは450%となります。
⑥リスティング広告のメリット・デメリット
メリット
・お金を出せば、検索上位に広告を表示させられる。
・検索によって顕在化した、見込みの高いユーザーにアプローチできる。
・少額から、月予算・日予算など細かく設定できる。
デメリット
・競合他社との競争によりクリック単価が高まり、CPAが高額になる場合がある。
・バナーや動画広告と異なり、文字による訴求のみ可能。
以上、リスティング広告(検索連動型広告)の概要でした。
次回は、ディスプレイ広告です。
広告運用をご検討中なら、rooftopにご相談ください。
Comentários